GIDの診断と治療のガイドライン(カウンセリング)
まずは第一段階のカウンセリングについてです。
ガイドラインとは?
GIDに関する治療と診断のために日本精神神経学会によって作成されました。
始まりは1964年に起きたブルーボーイ事件がきっかけで性転換手術は違法だという誤解が生まれてしまいタブー視されていました。
そこに革命を起こしたのが、埼玉医科大学による答申です。
これがなければ今のLGBTの環境はなかったと思います。
簡単に言うと埼玉医科大学が国に性同一性障害を認め治療をサポートする環境を整えるべきだと主張したのです。
これってすごいことですよね。
結果、国の法律を変えることになりましたし。
もちろんそれまでにどれだけ多くに当事者が声を上げて戦ってきたからこその結果です。
なので僕も良い情報を提供していけるよう日々精進していきますので、どうぞ宜しくお願い致します。
それではガイドラインに沿った流れを見ていきましょう。
<精神科的診断>
まずは専門の精神科医の診断を受けることが必要になります。
(近いうちに病院の一覧を公開する予定です。)
そして2人の精神科医が一致して診断が下りることで確定されます。
これは手術が不可逆的な治療であることが関わっています。
一過性の気持ちであったり、もし戻りたいと思ってもホルモン治療や手術によって後には戻れないからであり、慎重な診断が必要とされるからです。
ダブルチェックみたいなものですね。
①ジェンダーアイデンティティの判定
性自認、性対象、過去現在のアイデンティティなどによって判定します。
先生とのカウンセリングの中からそういったことを聞き取ったり、自分史というものを使って明らかにします。
おそらくこの判定が一番慎重で重要なことなのかなと思います。医者にとっては。
ちなみに僕はここで2年近くの時間を費やし(しかもファーストオピニオンで)頭にきて別の医者に変更したところすんなり次の段階に進めることができたという経験があります。
僕は早くホルモン注射をしたくて、本当にこの2年間はもどかしくて辛い時期でした。ただこれはもう10年以上も前の話になりますので、現在はここまで長くかかることはないでしょう。
おそらく3ヶ月から半年の間ではないかと思います。
②身体的性別の判定
主にFTMは婦人科で、MTFは泌尿器科で行う必要があります。
染色体検査やホルモン検査、性器の診察、検査によって生物的に面から性別の判定をします。
診察は精神的な苦痛が伴われますが、すぐ終わるので頑張りましょう。
③除外診断
別の精神障害によって起きている性違和感ではないか。
また社会的な有益を目的によるものではないか。
外的な要素がないか医者はカウンセリングの中から判断します。
④診断の確定
以上の点を総合して、身体的な性別と精神的な性別が一致していないことが明らかであれば、性同一性障害として認められます。
この流れを2名の精神科医から一致した診断が下りることのよって次の段階に進むことができます。
ここまでが治療の第一段階であり、一番大事な治療だと思います。
ガイドラインは強制ではない?
ちなみに必ずガイドラインに沿って治療をしなければならないのかといったら、違うんですよね。
あくまで治療方針であり、規則ではないのです。
じゃあめんどくさいからカウンセリングはしなくていい、ホルモン注射を先にしてしまおう、という方もいると思います。
実際、友人の中にはガイドラインに沿らずにホルモン治療をしている者、海外で手術をしている者も居ました。
でも僕はガイドラインに沿って進めることを決めましたし、周りにも勧めていました。
いつか必ず国の法律が変わると変な確信があったからです。
その時にガイドラインを無視してしまうと後からもっとめんどくさい事になる、そう思っていたんです。
当時はまだ性別も変更できず、ましてや好きな人と結婚なんて出来ない頃でしたから、実際正規ルートを通ってきて良かったと思います。
名前を変更するにしろ、性別を変更するにしろ、海外でオペをするにしろ、本当にスムーズに終えることができました。
なので、僕はガイドラインに沿った治療をするべきだと思います。
1つめは、総合的に見ると一番早いルートになるからです。
2つめは、一過性の気持ちである可能性です。
実際に性別変更まで終えたがやっぱり元の性に戻りたいと元の性別に変更を申し立てる事例がありました。本当に少ない事例だとは思いますが、専門医の診断を受けることは自分を守ることでもあります。
今後もLGBTの環境はきっと良い方向に向かっていくことは間違いないと思います。
自分の体、性の違和感などを感じたらまずは病院にいきましょう。